商品名を歌にすると、なぜ記憶に残るのか?
~音楽がブランド認知と購買行動を変える理由~
楽曲制作 SOUND ZEALです。
テレビCMや店内放送で、一度聞いたら頭から離れないフレーズを耳にした経験はありませんか。
実は、「商品名をメロディに乗せる」という手法には、心理学やマーケティングの研究によって裏付けられた効果があります。複数の研究では、音楽はブランドを記憶しやすくし、商品を思い出すきっかけになることが報告されています。
① 人気の音楽はブランドの記憶を高める
Taher & El Badawy(2022)は、300名を対象にテレビCMを用いた実験を行いました。
通常のCMと、人気歌手によるブランドジングル、さらに人気楽曲を組み合わせたジングルを比較したところ、
- 人気歌手ではブランド想起率が約2.5倍
- 人気歌手+人気楽曲では約6倍
まで向上しました。
つまり、親しみのある音楽ほど、ブランド名は記憶に残りやすくなることが分かりました。
② 「歌」は「話す」より覚えやすい
音楽心理学の研究であるWallace(1991)は、
同じ言葉でも
- 話して聞く
- メロディに乗せて歌う
では記憶に違いがあるのかを調べました。
結果は、歌の方が長期間記憶されやすいというものでした。
特に歌詞とリズムが自然に一致している場合、記憶効果はさらに高まります。
そのため、ブランド名を歌にするジングルは、単なる演出ではなく「思い出すための仕組み」と考えられています。
③ ジングルは購買行動にも影響する
Shakil & Siddiqui(2019)は、広告ジングルが消費者に与える影響を調査しました。
その結果、
- ブランド認知
- 商品記憶
- ブランド想起
- 購買行動
のすべてにおいてプラスの効果が確認されました。
特に印象的なメロディは、店頭で商品を見たときに
「この商品、聞いたことがある」
と思い出すきっかけになることが示されています。
④ 楽曲の中にブランド名を入れるだけでも効果がある
2017年の「Product Placement in Songs」の研究では、
ブランド名を歌詞に含む楽曲と含まない楽曲を比較しました。
その結果、
- ブランド認知は有意に向上
- タイアップと分かっていてもブランド評価は低下しない
ことが分かりました。
つまり、自然にブランド名を繰り返し耳にするだけでも、認知形成には効果があることが示されています。
音楽は「思い出すきっかけ」をつくる
これらの研究をまとめると、音楽には次のような流れがあります。
商品名をメロディに乗せる
→ ブランドが記憶に残る
→ 店頭で思い出す
→ 商品を手に取る可能性が高まる
実際に「商品名入りの楽曲で売上が○%増えた」という研究はまだ多くありません。しかし、ブランド認知や想起を高める効果については、一貫したエビデンスが蓄積されています。
そのため、商品名入りのジングルやブランドソングは、単なる広告ではなく、**「記憶をデザインするマーケティング手法」**として、多くの企業で活用されています。

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